『最高の人生の見つけ方』

家族のためだけに生きてきた謹厳実直な修理工のモーガン・フリーマンと、何度も結婚に失敗し実の娘とも疎遠になっている大富豪のジャック・ニコルスンが、癌治療でたまたま同室に入院し、ともに余命わずかと宣告されるが、すっかり意気投合して、死ぬまでにやりたいことのリスト(これが原題になっている)を作り次々実行に移してゆく。
スカイダイビングに挑戦したり、憧れのスポーツカーをぶっ飛ばしたり、タージ・マハルに出かけたりと、世界中を駆け巡る。が、やはり愛する家族と共にすごすことが一番の幸せと悟ったフリーマンは妻のもとに帰宅。その夜倒れて帰らぬ人となる。一方、ニコルスンはファーストフードで独り者のわびしさを味わう。
「荘厳な景色を見る」とか「世界一の美女とキスをする」といったリストにそれぞれ粋なオチがつけられていて、久々に映画らしい脚本の妙が味わえる作品。
主演の二人はさすがに千両役者で、悠々と楽しげな演技が本作最大の見もの。特にニコルスンは小憎らしい末期癌患者の老人を快演。泣かせて笑わせて緩急自在の名演を見せる。モーガン・フリーマンのナレーションは『ミリオンダラー・ベイビー』などでも実証済みだが、相変わらず作品に風格を醸し出す名調子で感動を盛り上げる。

ミリオンダラー・ベイビー [DVD]

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