2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『黄色い涙』

いかにも普段あまり映画を見ていない評論家たちが持ち上げそうな『メゾン・ド・ヒミコ』よりも、純然たるアイドル映画の意匠を纏いながら映画的完成度においては圧倒的な高さを示した『タッチ』を断然好むワタシとしては、犬童一心監督、嵐主演の本作にとて…

『バベル』

ライフル銃から発射された弾丸が誤って人を殺傷してしまったことからドラマが始まるところが、去年公開された『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』と同じ。それもそのはず『バベル』の脚本家ギジェルモ・アリアガは『メルキアデス・エストラーダ・・・・…

『イノセント(無修正版ニューマスター)』

1979年の日本初公開時以来二十八年ぶりに映画館で再見。 ジャンカルロ・ジャンニーニ演じるトゥリオ伯爵は、ジェニファー・オニールと長く愛人関係にありながら、妻(ラウラ・アントネッリ)が若い作家と一時的な過ちを犯したことが許せない身勝手な男である…

『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』

“孝行したいときに親はなし”という。いつか世に出ることを期待されながら親の期待を裏切り続け、どうにかこうにか格好がついた頃、すでに親はこの世にいない。 誰しも一度は襲われるであろうそんな悔恨の念を、ある種普遍的な家族の物語としてつむぎだしたと…

『善き人のためのソナタ』

最近のアカデミー外国語映画賞受賞作は、テーマは立派なのだけれどもいまひとつ面白みに欠ける作品が多かった。しかし『善き人のためのソナタ』は違った。 旧東独の国家保安省に勤務する士官が反体制的な劇作家を二十四時間体制で盗聴するうち、彼の部屋にあ…

『ホリデイ』

この手の映画は、そもそも他愛もない嘘を映画的なお約束事として受け入れる余裕の精神が必要。何よりもリアリティが要求される今のご時勢では、そうしたお約束事はなかなか理解されないが・・・・。 『ホリデイ』は、1930年代なら、キャメロン・ディアス演じるキ…

『ブラッド・ダイヤモンド』

「“TIAって分かるか。“This is Africa”って意味さ」とうそぶき、いつの日かアフリカから出て行くことを夢見ているダイヤの密売人レオナルド・ディカプリオが素晴らしい。ニヒルでクールな野心家だがどこかロマンを感じさせる冒険家のにおいがする。60年も…

『ロッキー・ザ・ファイナル』

およそまる三ヶ月更新をサボりました。 これだけサボると、あらかたの読者は二度とアクセスしてこなくなるでしょう(笑)。 そこで、これを機に日誌を少々リニューアル。 徐々に長大化していた内容をなるべく簡素に、気楽に書いていくことにします。 双葉十…