2003-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』

私小説ならぬ私映画なるものは、もともと製作規模の小さな欧州映画や日本映画あたりが得意とするジャンル。アメリカにもその種の映画がまったくないわけではないが、観客が期待する展開と結末をあらかじめ計算し尽くし、メガヒットを約束された映画のみが製…

『僕のスウィング』

ジャズの醍醐味は何と言っても偶数拍にリズムの力点を置くことから生まれる強烈なスウィング感。 ジャンゴ・ラインハルトとフランス・ホットクラブ五重奏団の演奏の魅力は、ギターが奏でる駆け足のようなリズムが生み出すスウィング感と、バイオリンが奏でる…

『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』

遅ればせながらカミさんと『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』を見に行ったら、進富座で倅とばったり。しかも、楽日が近いせいか、観客はわれわれ一家三人のみ。 一家貸し切りで見る『ロード・オブ・ザ・リング』はなかなかのものだった。 日本版の実写で…

『猟奇的な彼女』

クレイジーな彼女に気弱な男が振り回される映画というのは、実は三十年代のハリウッドで流行ったスクリューボール・コメディお得意の世界。ハワード・ホークスの『赤ちゃん教育』『僕は戦争花嫁』、プレストン・スタージェスの『レディ・イヴ』など、男と女…

『遙かなるクルディスタン』

『アラビアのロレンス』から『ミッドナイト・エクスプレス』に至る映画的記憶の中で、ワタシにとってトルコという国はどうも“あぶない”ところ、それも倒錯的な危険がいっぱいという印象が強い(これを“映画的偏見”とでも呼ぶのか? 本当のところは何も知りま…