『五線譜のラブレター』が待ち遠しい!

コール・ポーターと聞いてもお若い方はピンとこないかもしれない。TBS系列で土曜夜十時に放送中の『ブロード・キャスター』のタイトルバックに最近まで使われていた "Night and Day"、淀川長治氏が解説を務めておられた頃の『日曜洋画劇場』のエンディング・テーマに使われていた "So in Love"、『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』の冒頭、上海のナイトクラブ・シーンで、ケート・キャプショーが歌っていた"Anything Goes"などを作詞・作曲した人と言えば、思い出していただけるかも知れない。
アメリカではアーヴィング・バーリンやジョージ・ガーシュインジェローム・カーンらと並ぶポピュラー・ミュージックの大家で、 "Begin the Beguine"(『ザッツ・エンタテインメント』に収められていた『踊るニュウ・ヨーク』で、フレッド・アステアと“タップの女王”エレノア・パウエルが "Begin the Beguine"のメロディに乗せて、ミュージカル映画史上最高のタップのアンサンブルを見せてくれる!)など大ヒット曲がいっぱいある。
その彼を主人公にした音楽映画『五線譜のラブレター』の批評が、二十一日付けの中日新聞朝刊文化欄に掲載されていた。書き手は小林信彦氏。氏はミュージカルやコメディ映画に造詣が深く、マルクス・ブラザースやクレイジー・キャッツにも大変お詳しい(『テレビの黄金時代』という、クレイジーにオマージュを捧げた本まで書いている)。“粋”や“洒脱”を理解し、面白い映画をきちんと評価できる人。だから信用している。
進富座の2月のラインナップには、氏が絶賛する『五線譜のラブレター』があった。ワクワクする。2月が待ち遠しい!