映画検定受検始末〜1級篇

アホらしいと思いつつも無視できない映画検定。映画好きの弱みにつけこんだキネ旬の商魂に反発を覚えながらも誘惑に抗うことはできず、昨日、1級の検定を受けてまいりました。
結果は、5ないし6問ほどあった難問以外はほぼ自信をもって解答。『七人の侍』で最後に生き残った三人の侍を演じた俳優名を問う問題(答えは志村喬加東大介木村功)は、ぴたり予想が的中。
ただし、全体に問題文は長め。百文字で答える記述問題も2問あったので、いちいち考えていると時間切れのおそれあり。したがって、2級受検のときはできた最終チェックもほとんどできず。欲を言えばもう5分欲しかった(マークシートのみの2級以下と試験時間が同じというのはちょっと厳しい!)。もし落ちるとすれば、早とちりやうっかりミス(解答欄のズレとか)のチェック漏れが原因かも。
半年前の第1回検定(2級)では正答率およそ9割。予想外の好成績で突破したこともあって今さら1級に落ちるワケにもいかず、このまま中途半端に2級で終わるのもシャク。というワケで、今回は少し気合を入れて勉強しました。
勉強と言っても、日々天文学的な数の脳細胞が死滅しつつある中年のこと、新しいことを覚えるのはとても無理。だから、忘れかけていた映画、昔見た映画のことなどをできるだけたくさん思い出すよう心がけました。
そこで思い立ったのが、二十年くらい前に読んだ『たかが映画じゃないか』(タイトルがいいですね。ヒッチコックイングリッド・バーグマンに吐いた有名なこの台詞、映画検定を受検するすべての方々に捧げたい!)の再読。
この本は、古今東西の(“必見の名画”などではなく、わりにどうでもいい、だからこそ愛すべき)いろんな映画について、敬愛する山田宏一さんがイラストレーターでプロの映画愛好家でもある和田誠さんの記憶の数々を掘り起こそうとする面白本。いつの間にか本来の目的をすっかり忘れて、すっかり夢中になってしまった。博覧強記の山田さんと和田さんが好きな映画のことを語りだすと、もう止まらないといった感じがよく出ていて、実にエキサイティング。今後、映画検定を受検する方々はもちろん、映画を愛するすべての方々にお勧めしたい名著。
さて、検定結果が出るまでの一ヶ月あまり・・・・クリント・イーストウッドの『硫黄島からの手紙』、山田洋次の『武士の一分』、新ボンド登場の『007/カジノ・ロワイヤル』や当地ではこれから公開されるアレクサンドル・ソクーロフの『太陽』、ウディ・アレンの『マッチポイント』など、期待作が目白押し。検定結果も映画も、ともに楽しみな年末です。

たかが映画じゃないか (1978年)

たかが映画じゃないか (1978年)