『運命を分けたザイル』

東京のテアトルタイムズスクエアで『運命を分けたザイル』。同じ日、早稲田松竹では見逃していた『クリクリのいた夏』『ピエロの赤い鼻』の2本立てをやっていたけれど、こちらは時間の都合で諦めた。
新田次郎の山岳小説をこよなく愛し、山登りに凝っていた時期もあったから、実は山岳映画には目がない。紺碧の空を突き抜けるかのような威容を誇る峻峰のスチル写真を見ただけで無性に見たくなってしまった。
運命を分けたザイル』は、南米ペルーのシウラ・グランデ山で遭難した二人の登山家が奇跡の生還を果たした実話の再現ドラマ。
テアトルタイムズスクエアのスクリーンは巨大なので、壮大な山岳ドラマを見るにはうってつけ。ザイル一本で登山家が宙づりになる場面など、その高度感に思わず足がすくんでしまう。どうやって撮影したのだろう。『WATARIDORI』にも感心したけれど、苛酷な撮影条件を想像しただけでクルーに拍手を贈りたくなってしまう。小さな画面ではこの映画の醍醐味は味わえない!