2005-01-01から1年間の記事一覧

『ザッツ・エンタテイメントPART2』『ザッツ・ダンシング!』『ザッツ・エンタテインメントPART3』

『2』は、マルクス・ブラザースのコメディやキャサリン・ヘップバーン&スペンサー・トレイシーの共演作なども加えられていて、それなりに面白く大変貴重ではあるのだけれど、ミュージカル映画ファンとしては少々冗長なところがあり、正直不満が残った。 ジ…

『ザッツ・エンタテインメント』

NHKーBSで連続放映された『ザッツ・エンタテインメント(1〜3)』と『ザッツ・ダンシング!』を楽しんだ。疲れ果てた中年にこういう映画は本当にありがたい。 特に『1』は、三十年前に初めて見て以来、最も繰り返し見た映画。何度見ても豪華で楽しく…

『犬猫』

ベージュ色の布地に“犬猫”というタイトル文字が浮かび上がったとたん、身構えた。近頃急激に増殖し続けているらしい小津信者の、これは猿真似映画ではないか、と思ったからである。しかしそれが杞憂に過ぎないことは、じきに判った。 東京の郊外(国分寺あた…

『山猫』

手元の古い資料によると、『山猫』の日本初公開は64年1月。海外配給権を持っていた二十世紀フォックス社が製作した英語版で、オリジナル版より三十八分も短く、しかも三十五mmという不完全なものだったらしい(まだ十歳にも満たないワタシは当然見ていない…

『秀子の車掌さん』

CS某局で放送された成瀬巳喜男の『秀子の車掌さん』(昭和十六年)を見た。面白い! 山梨県の甲州街道沿いをおんぼろバスが走っている。運転手は藤原鎌足、車掌の“おこまさん”が高峰秀子(当時十七才。可愛い!)である。ライバル会社の新しいバスに客を奪…

『ビヨンドtheシー』

たとえば『グレン・ミラー物語』『ベニイ・グッドマン物語』『愛情物語』『バード』など、音楽家の伝記映画はたくさんあるけれど、歌手の伝記映画となるとそれほど多くはないのじゃないか。 一般的に歌手の顔は広く知られているものだから、役者が本人に似て…

『きみに読む物語』

映画日誌を書く大きな目的はボケ防止。最近は固有名詞や人の名前が覚えられず、昨日見た映画のタイトルすら思い出せないありさま。 家族の顔さえ判別できなくなった老女(ジーナ・ローランズ)に夫が自分たちの過去を語って聞かせる『きみに読む物語』の世界…

『お伊勢参り』

まず、保存状態の良さに驚いた。昭和二十八年の短編映画がこれだけの状態で保存されているのは奇跡に近い。五十年以上も前の地方の様子が記録された映像は大変貴重。 クレジットに「製作 三重県」とあった。つまり役所のPR映画。それにしては、御殿場海岸…

『アビエイター』

『アビエイター』の初日に駆けつける。案の定、客足は今ひとつ。だってハワード・ヒューズなんて、今どきの若い人、誰も知らないでしょう。いかなレオ君といえども、ちょっと興行的には苦しいのじゃないかな。日本で言えば(あんまりピッタリの例えじゃない…

『運命を分けたザイル』

東京のテアトルタイムズスクエアで『運命を分けたザイル』。同じ日、早稲田松竹では見逃していた『クリクリのいた夏』『ピエロの赤い鼻』の2本立てをやっていたけれど、こちらは時間の都合で諦めた。 新田次郎の山岳小説をこよなく愛し、山登りに凝っていた…

アカデミー賞

クリント・イーストウッドが『ミリオンダラー・ベイビー』でアカデミー監督賞を受賞とのことで、まずはおめでとうございます。しかし、破った相手がマーティン・スコセッシなので心境はとても複雑。 『ダーティハリー』や『タクシー・ドライバー』の登場をリ…

切通理作さんの『山田洋次の<世界>』

遅まきながら『山田洋次の<世界>』を読了。著者はキネマ旬報で「ピンク映画時評」を連載している切通理作さん。とても面白かった。読んでいると映画を見直したくなってくる。映画そのものより面白い批評が存在するということを立証してくれる本のひとつだ…

『五線譜のラブレター』が待ち遠しい!

コール・ポーターと聞いてもお若い方はピンとこないかもしれない。TBS系列で土曜夜十時に放送中の『ブロード・キャスター』のタイトルバックに最近まで使われていた "Night and Day"、淀川長治氏が解説を務めておられた頃の『日曜洋画劇場』のエンディング・…